弁護士がまとめた「借地・借家」のQ&Aです。
Q 借地借家法とはどのような法律ですか?
分かりやすく言えば、借地の上に建物を建てた借主(借地権)、建物の借主(借家権)を保護するための法律です。
まず、借地権の保護についてですが、次のようになります。
借地権の存続期間は、30年となります(借地借家法3条)。そのため、契約書に借地権の存続期間を20年と書かれていても、存続期間は30年となります。
また、借地権の更新においても、借地権の保護がなされています。
まず、貸主による借地権の更新拒絶は、正当な事由がなければ認められません(借地借家法6条)。
更新後の存続期間も、法定されています。最初の更新では20年、翌年以降は10年となっています(借地借家法4条)。
そのため、更新時に、更新後の借地権の存続期間を5年と合意しても、20年(最初の更新)、又は、10年となります。
次に、借家権の保護についてですが、次のようになります。
借家の場合、貸主が、更新拒絶、又は、解約申入れを行なっても、正当な事由がなければ、更新拒絶等はみとめられず、賃貸借契約は続くことになります(借地借家法28条)。
Q 他のテナントに入ってもらいたいが、解約は可能ですか?
しかし、次のような場合には、解約等することが可能となります。
①借地借家法28条の正当の事由を満たしている場合です。正当の事由を満たすためには、立退料の支払い等が必要となります。
②現在のテナント(借主)が、退去を同意している場合です(賃貸借契約締結時の同意は不可です)。
③賃料の未払い等があり、賃貸借契約を債務不履行解除できる場合です。
④定期建物賃貸借(一定の手続が必要となります)に該当する場合です(借地借家法38条)。
⑤取り壊し予定の建物の賃貸(ただし、事前に取り壊し予定の記載等が必要)の場合です(借地借家法39条)。
⑥建物の一時使用目的が明らかな場合です(借地借家法40条)。
Q 更新期間が過ぎましたが、契約は続きますか?
ただし、前述のように、定期建物賃貸借、明らかに一時使用目的であるケース等では、更新期間とともに契約が終了します(借地借家法25条、40条)。
Q 駐車場を利用していますが、借地借家法の適用は?
そのため、契約期間終了後、更新するかどうかは、賃貸人・賃借人の話合いになります。
Q 借地借家法を適用しないようにすることは可能ですか?
まず、借地上に建物を建てた場合ですが、次のような借地契約にすれば、借地借家法の適用(更新拒絶に正当事由が必要とはならない等)はありません。
①定期借地権(借地借家法22条)
②事業用定期借地権等(借地借家法23条)
③建物譲渡特約付借地権(借地借家法24条)
④明らかな一時使用目的の借地権
次に、借家権の場合ですが、次のような借家契約にすれば、借地借家法の適用(更新拒絶に正当事由が必要とはならない等)はありません。
①定期建物賃貸借(借地借家法38条)
②取壊し予定の建物の特例の利用(借地借家法39条)
③明らかな一時使用目的の借家権