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労働条件変更|労働問題

弁護士がまとめた「労働条件変更」のQ&Aです。

Q 会社は、労働条件を一方的に不利益に変更できますか?

労働者の同意なく、労働条件を会社が一方的に不利益変更した場合、無効です。

労働条件の不利益変更とは、労働条件が切り下げられることであり、賃金カットが典型です。経営不振・業績悪化が理由であっても、同意のない労働条件の不利益変更は認められません。

同意を迫られたとしても、同意する義務はありません。但し、同意してしまっても、弁護士に相談すれば、無効や取消で争うことができる場合もあります。

また、黙示の同意に気をつける必要があります。例えば、賃金カット後、一定期間働いてしまうと、賃金減額について黙示で同意したと解釈されてしまう場合がありえます。賃金カットなどの労働条件切り下げに気づいたら、早めに弁護士に相談しましょう。

賃金カットが無効であれば、減額された分を取り戻すことができます。

Q 労働条件の不利益変更ができる場合はありますか?

①就業規則、②労働協約、③個別の同意により、労働条件の不利益変更が許される場合もあります。

就業規則による場合は、労働者と合意なく不利益変更できないのが原則です。但し、変更が合理的で、かつ、変更後の就業規則が労働者に周知されていれば、不利益変更できます。

労働協約とは、労働組合と使用者との間で労働条件について締結する協定です。労働協約による労働条件の不利益変更は、原則として有効です。

Q 査定で賃金カットされましたが納得できません。争うことはできますか?

査定に基づく賃金切り下げについて、争うことができる場合もあります。

多くの企業では、個人の業績や成果を個別査定し、賃金に反映させています。しかし、個別査定だからといって、賃金カットが無制限にできる訳ではありません。

まず、個別査定に基づいて賃金カットができる賃金制度が、就業規則、労働協約、個別の同意などにより認められていることが必要です。また、賃金制度の内容は、合理的でなくてはなりませんし、実際の査定も合理的に行われなくてはなりません。

査定による賃金カットについても諦めることなく、弁護士に相談してみましょう。賃金カットが無効であれば、減額された分を取り戻すことができます。

Q 降格や配転による賃金切り下げを争うことはできますか?

降格や配転が賃金カットの理由に使われることもあり、その場合、争うことが可能です。

降格が懲戒処分として行われた場合、懲戒処分が有効かどうか問題となります。また、降格が人事権の行使として行われた場合、人事権の濫用にあたらないかが問題となります。

懲戒処分が無効の場合や人事権濫用にあたる場合には、賃金カットも無効です。したがって、減額された分を取り戻すことができます。

配転とは、職務内容の変更をいいます。配転による賃金カットは、労働者の同意や就業規則の定めがない限りは無効といえます。そこで、賃金カットされた分を取り戻すことができます。